美容師として毎日、数十名のお客様のヘアデザインのカウンセリングをしている僕ですが、髪が健康的で綺麗だと、ヘアデザインの幅は広がるなと感じる毎日です。料理人に例えると新鮮な食材が手に入るようなもの。けど、美容師は髪をカットやカラーリング、パーマなどでデザインを作る職業。そして、料理人と決定的に違う事があります。それは、
美容師は、髪質という素材を選ぶ事が出来ない
当たり前と言えば当たり前ですが、髪質や髪の健康状態は十人十色。本当に様々です。しかし流行しているヘアデザインを求めて来店してくれるお客様はいる現実。しかし髪質、健康状態はバラバラ。料理人の方も食材の質は多少のの差はあるでしょうが、髪に関してはもっと差が大きいかと思います。
美容師はお客様の髪質を選ぶことが出来ない。髪の健康状態も バラバラ。
美容師がお客様に対してしてあげられ事。
それは、
髪の健康管理を徹底的にアドバイスしてあげること
僕たち美容師が、ヘアデザインする上で大切な素材である髪。その髪質の良し悪しにより自宅で毎日するスタイリングのしやすさなどが大きく変わる上、その日の仕上がりも左右してしまう。そんな大切な素材を管理し最適なアドバイスを促し、お客様が続けられるように導いてあげる事。
何度も言いますが、美容師は髪質を選べません。
だから、お客様と共に良い髪質作りをしていく必要が絶対的に必要です。
髪のダメージ要因その1 熱ダメージ
熱ダメージって聞いてすぐに思い当たることは、
- ドライヤーの熱
- ヘアアイロンの熱
この2点ではないでしょうか。
ドライヤーの熱の温度をご存知でしょうか?実はドライヤーの吹き出し口付近の温度は120°。髪から10㎝離した位置からドライヤーの熱を当てても90°くらいにしか温度が下がりません。
そしてヘアアイロン。大体の製品が温度調節ができる仕様になっていますが、120°〜210°の設定幅が一般的です。
熱が髪に対してどのようなダメージを与えるのか?
毛髪内部主にはタンパク質で構成されています。そこで質問です。
フライパンでお肉を焼く時、焼きおにぎりを焼く時、焼きすぎると食材はどのように変化するでしょうか?一度焼いた食材を何度も何度も焼いたらどうなるでしょうか?
想像つきますね。焦げます。(笑)タンパク質が焦げていってしまうことを、タンパク変性と呼び、タンパク変性は60°以上に達するとタンパク質が固まっていってしまうということになります。
髪も全く同じです。毎日ドライヤーやヘアアイロンで高温の熱を与え続ければ、毛髪内部のタンパク質はどんどんとタンパク変性していきます。一度でもタンパク変性してしまうと元に戻すことは不可能です。毎日アイロンの高熱を与え続けると、ある日、形がつきづらくなる。要は毛髪内部のタンパク質がかたまっていて、言うこと聞かない状態ですね。やわらかな状態のままだと、柔らかく動いたり、自然な髪の丸さが表現されるんですけどね。
そんなこと言われてもドライヤーも使うし、ヘアアイロンだって毎日使うし、じゃあ、どうしたらいいのさ!って思いますよね。
熱ダメージ対策は、予防が一番効果的!髪を熱保護してますか
フライパンで食材を炒めたり焼いたりする時に、油って使いますよね。油で表面を保護することで焦げ付きを防ぐ役割を果たしています。
髪も実は同じなんです。
何度もドライヤーの熱やアイロンの熱が加われば、焼けますね。
だから必要なのが、アウトバストリートメント。(洗い流さないトリートメント)
元々は髪を熱から守る役割で発売されましたが、今では様々な悩みに対応してくれるアイテムが揃ってます。紫外線防止や、ボリュームアップ、しっとりタイプ、フンワリタイプ。
一番手軽で一番効果を実感しやすいヘアケアかもしれません。
髪のダメージ その2 紫外線ダメージ
紫外線って肌へのダメージだけでなく、髪や頭皮にも多大な影響を与えています。
髪への紫外線の影響は肌への5倍。
そんな紫外線の髪への影響は大きく分けて3つ
1.ヘアカラーの過度な退色
2.内部結合の切断
3.キューティクルが焼けてしまい艶が無くなる
1のヘアカラーの過度な退色ですが、髪の表面が髪の内側に比べて過剰に明るく退色した経験はありますよね。原因は紫外線です。サロンで綺麗に仕上げたとしても、何も紫外線ケアせずにいる2ヶ月放置すれば、髪の表面と内側で髪の明るさの差が2〜3レベルはついてしまいます。
2.内部結合の切断面。彼はあまり知られていませんが、紫外線による影響で毛髪内部結合を切断してしまうことがわかっています。そして切断された結合は再結合しづらいという事実。パーマの原理は毛髪内部の結合を切り離し再結合させカールを形成します。その結合を紫外線ダメージで切り離していて、然も再結合しづらい状態だったらどうなるか?お分かりのかたもいると思いますが、パーマ剤をが綺麗に反応するはずもありません。結構な割合で変な反応するのなぁたら感じます。
3.キューティクルが焼けてしまう。こらは見て分かるくらい、表面がパサパサします。キューティクルは本来、毛髪内部に内部結合を摩擦や熱から守る役目と、見た目的にはツヤ感を演じする役目を担ってます。そのキューティクルが焼けたしまう。考えただけでも恐ろしいですね。
髪のダメージ その3 ケミカルダメージ
ケミカルダメージとは、薬剤によるダメージのことをさします。主に、
- パーマ液
- カラー剤
- シャンプー剤
この3つですね。パーマ液によるダメージやカラー剤によるダメージは美容師の薬剤コントロールやカウンセリングミスによることが多いです。例えば、枝毛切れ毛が多いのにパーマをかけることを承諾してしまった。結果、カールが出ない、毛先が広がるなどの失敗は明らかに美容師のカウンセリングミス。毛髪診断ができていない結果です。
しかし、3番のシャンプー剤とは一体?
それは界面活性剤が結構毛髪に対しての負担を与えてしまうのです。(界面活性剤の種類にもよります)メーカーの方にお聞きしたところ、刺激性のあるシャンプー(薬局などで数百円で販売されているシャンプー)は40回ほど髪を洗うと、8レベルのカラー剤を塗布したのと同じくらいのダメージレベルになるそうです。要はシャンプーするたびに毛髪内部の栄養が少しづつ流出してるってこと。
パーマダメージやカラーダメージは、美容師さん次第ですが、普段のシャンプー剤選びがダメージを蓄積させてしまうという恐ろしさ。結果、美容室に来店された時に美容師さんが困ってしまう結果にもなります。もちろんパーマの成功率も下がるし、カラーの色持ちも変わります。髪のダメージが蓄積されるのは、実は毎日のシャンプー選びも大きく関わっていたんです。
髪のダメージ その4 摩擦
これはわかりやすい!摩擦!摩擦も色んな摩擦があります。
- ブラシの摩擦
- シャンプー中の摩擦
- 就寝中の枕と髪の摩擦
- アイロンの摩擦
探したらキリがなさそう(笑)
基本的に毛髪が濡れている時は膨潤している状態で、キューティクルも開いています。非常に摩擦に弱くキューティクルも剥がれやすい状態。だから髪が濡れたまま寝てしまうと髪が痛むよっていう説はまさにこのこと。キューティクルが剥がれてツヤがなくなっちゃうんですね。ドライヤーで乾かすのは必須ですね。けど熱ダメージも気になります。(泣)
髪がダメージする原因は大きく分けて4つ
- 熱ダメージ
- 紫外線ダメージ
- ケミカルダメージ
- 摩擦ダメージ
今回は、ダメージの種類について書きましたが、ただ単に髪が痛んだと言っても、様々な種類と原因があります。
その種類と原因が様々だから、ヘアケア選びが難しい。色んなアイテムを買ったけど効果が薄い。
まずは、ダメージの種類と原因を知ることが、美髪への第一歩ですね。